イジワルな副社長に恋してる!
「おはようございます。」
と絢香は微笑み、車に乗り込んだ。
(ー 仕事だ。仕事。)
と絢香は言い聞かせた。
「おはようございます。」
晃はそんな絢香をチラッと見て言った。
「それでは、只今から約2時間半弱で到着します。途中、何かあればおっしゃってください。」
と、運転手さんは言うと、静かに走り出した。
晃は仕事をしているようで、車内でも書類を広げていた。
そんな晃の、いつもと全く違う顔に、絢香は戸惑いしかなく、ただ、黙って外を見ていた。
絢香は、ふと目を開けた。
(ー 寝てた⁉︎なんて失態…。まともな所を、この人に見られたことがない気がする。)
絢香は1人で落ち込み、隣をそっと見た。
相変わらず、マジメな顔で書類をを見ていた。
時計を見ると、出発して、1時間半が経っていた。
(ー あと1時間…。)
絢香は、眠るのも問題だと、車内の音楽に意識を集中した。
穏やかな、クラッシックが流れていた。