イジワルな副社長に恋してる！
「絢ちゃん、お休みは今日まで？」
湊は聞いた。
「いえ、いい機会なので、明日は有休使って休み取りました。使うときあまりないので。」
「そうなんだ…。」
湊は少し考えて、
「晃、土日も仕事で、明日特に急ぎの案件もないし、休みでいいからもう一泊してきたら？今日も夕方まで、ずっと予定入ってるし、絢ちゃんもかわいそうだろ。昨日はそんな雰囲気じゃなかったし。」
湊はニヤッと笑った。

「いいのか？」
晃は、湊の顔を見た。
「ああ、明後日からは、また頼むぞ。」
2人は笑った。

「絢、それでもいい？」
「晃くんが大丈夫なら。」
と微笑み湊にお礼を言った。

食べ終わり、
「絢、1人にしてごめん。」
「大丈夫。多分あのライブラリーカフェで本読んでいるかも、あっ、晃くんの部屋でピアノ弾いていてもいい？」
晃は微笑むと、
「もちろん、あとで俺の為に弾いて。あと、隙見せて、他の男に捕まるなよ。」
耳元でそっと囁いて、ニヤッと笑うと、会議に出かけて行った。

（ー もう。）

外に出ると、弱いところなんて微塵も見せず、自信に満ちた副社長の顔をしていた。

絢香はそんな晃を見送ると、爽やかな風の中、庭に出て、湖を見つめた。
< 67 / 73 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop