記憶のないお姫様
施設
「・・・んっ。」
真っ白な色だけが目に飛び込んでくる。
「どこ・・・ここ。」
「鈴~!起きたか?」
扉が開く。
男の子たちが入ってくる。
「って、本当に起きてる!?」
誰、だっけ?
「鈴。覚えてる?」
女の子が聞いてくる。
なんだろう。何か・・・懐かしい。
「私、・・・誰?」
「・・・は?」
何で、自分を忘れてるんだ?
「・・・あなたの名前は鈴。私は春。この人たちは、凛精。皆、あなたの仲間だよ。」
鈴。
春。
凛精。
仲間。
「・・・春?」
「思い出してくれた?」
そっか・・・。私、病気だったんだ。
「うん。全部。」