記憶のないお姫様
光
「皆、帰ろう。」
「は!?」
春が凛精の皆に言う。
凛精は春の異変に気付いた。
「・・・春?どうしたの?」
「何でもない。鈴、また、来るね?」
春は凛精の皆を連れて病室を出ていく。
「・・・寂しい、な。」
病室に1人。心細い。
夜、9時。
「鈴さん。早く寝てくださいねー。」
看護師さんに言われ、ベッドの上に寝転がる。
「・・・。」
寝るのが怖い日が来るなんて。
寝てしまうと、すべてを忘れてしまいそうで・・・。
皆を思い出せなくなりそうで。
怖い。怖い。
皆を忘れてしまうのが。