記憶のないお姫様
これ・・・スマホ、だよね?
画面を見てみると、私と春ちゃん、そして、五人の男たちが写っている。
真ん中には、『凛精』と、デカデカと書いてあった。
「凛精・・・!?」
思い、出した。私、凛精のこと忘れてたんだね。
あぁ、あんな表情をさせたのは、全部私なんだ。
これ以上、迷惑はかけられない。
「私、帰るね?」
コンクリートに染みをつける。
生温いものが頬を次々と伝う。
「・・・皆とはもう・・・関わらないから。」
皆が大好き。
だから、私は、自ら身を引きます。
永遠に・・・さようなら・・・だね・・・。
私は、出来るのなら、皆を忘れたくない。