ドメスティック・ラブ

「二時間制で八時に出なきゃ行けないし、後から合流する人もいるらしいから時間になったら河岸変えるかって言ってるけど、しまは二次会どうする?」

「まっちゃんは行くだろうし、どうせ一緒に帰るんだから私も参加かなー。さとみんは?」

「明日日曜だしさすがに八時解散は早いもんね。私も行こうかと思ってる」

 日曜なら翌日が平日なのでセーブしようかという気にもなるけれど、明日が休みだと思うと八時なんてまだまだ序の口な気がしてしまう。皆そんなものだろう。おまけに友人達との酒の席はやっぱり会社の宴会なんかよりも気が緩んでお酒も進む。

「ここ日本酒もカクテルもメニュー少ないしデザートメニューいまいちだから次は美味しいデザートある所がいいなあ」

「チェーン店の居酒屋だから仕方ないでしょ。この人数で個室取れる所って限られてるんだから」

 自分の欲望に正直な私と違って、それを窘めるさとみんはがぶがぶとロックの焼酎を流し込んでいるのにやっぱり冷静だ。
 今日の主役である今ちゃんもこっちへやって来たので、まりっぺも含めて四人で彼が今回初めての彼女を射止めたのが百対百のお見合いパーティーだというネタでひとしきり盛り上がる。今ちゃんからパーティーのシステムを根掘り葉掘り聞き出し、真剣に参加を検討するまりっぺに笑い転げていたら、またもや部屋の入口がすうっと開いた。
 よねみー達が戻って来たのかと思って振り返ると、予想とは全く違う人物がそこに立っていた。

「……!」

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