ドメスティック・ラブ
「いやー『しまちゃんとはただの同級生なんてやっぱり嘘だったんじゃないの、裏切り者!』とか修羅場始まったらどうしようとか期待してた訳じゃ……あれ、しまっち先輩?」
「わっ……何、まりっぺ」
急に顔をのぞき込まれて、不意打ちに少し驚いた。まりっぺはそのまま畳に手をついて、少し下の角度から私の顔をまじまじと見つめている。
「……やっぱりしまっち先輩でもヤキモチ妬くんですね!」
弾んだ声でそう言う彼女はやけに嬉しそうだ。
「え?いや違うって」
「私達の声聞こえなくなるくらいまっちゃん先輩達の方凝視してるじゃないですかー。ただの後輩くらいじゃ気にもならないけど、やっぱり元カノだと複雑なんですね」
「それは、梶尾先輩久しぶりだなあって思ったから……」
「悪いけどしま、私から見てもすっごい微妙な顔してたよ」
「さとみんまで!」
まさかのさとみんまでがまりっぺの邪推を肯定した。それを聞いて、やっぱり、とまりっぺと今ちゃんはニヤニヤと人の悪い笑みを浮かべている。
ヤキモチって……別に私は先輩がまっちゃんに近づくのが嫌だとかそんな事を考えていた訳じゃなくて。たまたま今日久々の再会だったけれど、こうして学生時代の友人達と集まる限り先輩とまっちゃんが顔合わせる機会なんていくらでもあるの分かってるし。
「てか旦那、気づいているよ」