ドメスティック・ラブ
さとみんが、いなくなる。
先に結婚した私がどうこう言える立場じゃない。それは分かっているのに、さっきまで浮かれていた気分が一瞬にして吹き飛んだ。
変わらない物なんてない。皆が歳を取りそれぞれ環境が変われば、学生の様に集まって遊びに行く事は難しくなってくる。
────頭では仕方ないって分かってるけどやっぱ寂しいよね。
いつか自分で言った言葉が頭の中でリフレインする。
ああそうだ。
自分がまっちゃんとの結婚に踏み切った理由の一つ。
皆に置いて行かれて、一人になるのが怖かったから、だ。
耳元でさとみんが押し黙ってしまった私を心配する声がする。
直接伝えられなくてごめんとさとみんは言ったけれど、電話で良かった、と思った。今の私の顔は、彼女には見せられない。