交際0日のプロポーズ~純情男子の恋の傾向と対策
(訊かなきゃ良かったな…)
いつものあの嫌な感じ。
彼女が何を思っているかが伝わってきてしまった。
「…帰ろう。」
「あのっ!!」
同時に正反対の口調で言葉が出る。
「……」
聞きたくないとも言えない。
俺は彼女の方を見ることもできず口を噤む。
「私…」
今泉さんが静かに声を発する。
言わなくていいよ。
応えられないから─
「私、酒井くんのことが…
好きなの。」