キミの瞳に
「…に、それ…」
小さな声を出した朝木君はゆっくりと私を見る。
その表情を見て私は一気に焦りが込み上げた。
「……?…
ど、どうしたの朝木君…」
あまりにも悲しそうな顔するから…
そんな顔今まで見たことがないし、される理由もないはずなのに…
「…俺は心配しちゃダメなの?
…あいつなら…いいってこと…?」
そんな声が聞こえたと同時に私の視界には天井と朝木君の顔が見える。
朝木君の両手が私の顔の横にあって…
全然今の状況が把握出来ていない私はオロオロとしてしまう。
そんな私を見下ろす朝木君は目を細めて…
「…っ…すげぇムカつく…」
いつもより少し低い声でそう言った。