キミの瞳に
朝木君の言うあいつは聖夜君だってすぐに分かった。
でもどうして…
朝木君がこんな風に怒ったりする理由が全然分からない。
「…朝木君がどうして怒るの…?」
今の私にはこの言葉しか浮かばない。
「それに…
聖夜君は親切にしてくれるだけで何も悪いことしてないよ…」
なんとなく朝木君は聖夜君のことをよく思っていないのが前も今も伝わってくる。
「聖夜君は「あいつの名前ばっかり呼ぶなよ!!」」
優しい人、そう言おうとした時朝木君が大きな声でそう言ってグッと私に顔を近づけた。
もう少しで唇が触れてしまいそうなそんな距離。
朝木君との至近距離に私の鼓動が一気に早くなる。