キミの瞳に
「…朝木君がどうして怒るの…?」
普通に考えてみれば昨日の話だけ聞いた春はそう思うはず。
俺が春の事を好きだと思っていないから。
「それに…
聖夜君は親切にしてくれるだけで何も悪いことしてないよ…」
春があいつの名前を呼ぶ度にモヤモヤする。
俺はずっと朝木君のまま。
「聖夜君は「あいつの名前ばっかり呼ぶなよ!!」」
もう春の口から他の男の名前なんて聞きたくない。
春は俺だけ見てればいい……
独占欲丸出しの俺は春の顔にグッと自分の顔を近づける。
「俺は春に1回も名前呼んでもらったことない」
春が俺に好きって言ったことがないって言うように俺だって同じこと言うよ。
男は女より精神年齢が低いって聞くけどまさにその通りだと思う。
そう言って俺は春に自分の唇を重ねてしまった。