キミの瞳に
「わ…私少しゆっくりしたいから授業戻って…。」
グッと朝木君の体を押す。
さっきとは違って朝木君はあっさりと離れてくれた。
「…分かった。
無理矢理キスしてごめんね。」
スッと立ち上がる朝木君は扉へと向かう。
自分で戻ってとは言ったものの少し寂しさが残る。
扉の前に立った朝木君はクルッと私の方へ振り返る。
「…俺のこと好き……?」
いきなりそんなことを聞かれて固まってしまう。
なんでそんなこと聞くんだろう…。
「…………。」
答えない私を見て朝木君が苦笑いをする。
「ごめん、今のやっぱなし。
ゆっくり休んで」
パタンと閉まる扉の音。
「……好き?って……
そんなの好きに決まってる……。」
ボソッと呟いて私は毛布に潜り込んだ。