キミの瞳に
朝木君は何も言ってくれない。
あぁ…やっぱり言うべきじゃなかったかも…
ダラダラと冷や汗が流れるのが分かる。
な、何か言わないと…
「…ご、ごめん…
やっぱり気に「付き合う?」
私の言葉とダブって朝木君の声が聞こえる。
今…朝木君なんて言った……?
「え…?」
ソッと朝木君を見れば私に近づく。
「春がいいなら俺達付き合ってみる?」
優しい笑顔でそう言う朝木君。
その言葉が嬉しくて嬉しくて舞い上がる。
「う…うん!」
朝木君も私のこと好きになってくれたんだ。
この時は嬉しさが上回って何もわからなかった。
朝木君は私に好きなんて言っていないこと…
悲しい顔をした理由さえ、何一つ気にも留めていなかった。