キミの瞳に
「嫌いではないかな」
ニコッと朝木君は笑った。
私なんか本とか滅多に見ないや。
文字見てるだけで眠くなってきちゃうからなあ…。
なんて考えていると朝木君が本を手に取る。
朝木君が手に取った本に目を向ければ2センチくらいの分厚さの本だった。
う、うわあ……
私からしたらすごく分厚く見えるよ…。
「それが読みたかった本?」
軽く微笑みながら朝木君に聞くと、ニコニコのまま頷いた。
そんな笑顔にすらキュンとした。
「付き合わせてごめんね、帰ろっか」
朝木君が近づいて来て私の腕を掴む。
「あ…朝木君…」
1度だけ彼氏がいたとはいえ、こういうことにはドキドキしてしまう。
朝木君はやっぱりたくさん彼女とかいたのかな?
だからこういうことには慣れてるんだろうか。
クスッと朝木君は笑って…
「春顔真っ赤」
からかうような微笑みを浮かべてそう言った。