キミの瞳に
「あさ……ぎ…くん……?」
静かな図書室には私達の声しか響かない。
なんとも言えない空気が漂う。
「春は照れ屋さん?」
耳元で聞こえる声に私の鼓動はヒートアップする。
朝木君に抱き締められて…
耳元で囁かれて…
ドキドキしないわけがない。
「え…あ…」
こんな状況で上手く言葉が出てこない。
照れ屋…なのかは分からないけど、朝木君にこんなことされたら誰だってこうもなる。
「耳まで真っ赤だよ」
あぁ……朝木君は少し意地悪だ。
言わなくたって分かることをわざわざ口にするんだから。
そう思えば朝木君の抱き締める力がフッと弱くなって…
「ごめんね?
可愛いから少しからかっちゃった」
なんてことを口にした。