キミの瞳に
私は朝木君の言葉に黙り込んでしまった。
いつも優しくて穏やかな朝木君がこんな風に怒るなんて…
俯いていると、はぁっ…とため息が聞こえる。
その瞬間に頭にポンッと手を置かれる。
「…ごめんね、春。
少しカッとなって怒っちゃった」
さっき聞いていた声とは違っていつも通りの朝木君の声。
そんな声に反応して私はゆっくりと顔を上げる。
朝木君の顔は申し訳なさそうなそんな表情を浮かべていた。
「春が他の男といるなんて想像したこともなかったからちょっと嫉妬した。」
そう言って私の頭を撫でていた朝木君はグッと私を引っ張って抱き締める。
朝木君も…嫉妬とかするんだ……。
私はその事にとても驚いた。