キミの瞳に
「行くよ、春」
無理矢理春を引っ張って男の横を通り過ぎる。
「えっ…あ…
ご、ごめん聖夜君っ…またね…っ」
こんな状況でも律儀に声をかける春は天然なのか人が良すぎるのか…
それに…聖夜君またね…って…
お互いに名前呼びあってるし、またねってまた会うつもり…?
あ〜……イライラが増す一方……。
足の速度を緩めることなく進む俺。
引っ張られている春は俺の腕を振り払うことなく必死についてくる。
なんで春に対してこんな感情がうまれるのか…。
正直不思議でたまらない。
人気のない場所に来て俺は足を止めた。
それと同時に春もピタッと止まる。