キミの瞳に
「……あれ…。」
前と同じ落ち着いた声。
私より先に口を開いた男の人…男子生徒は私の顔をジーッと見てくる。
「君…確か前に猫のキーホルダー落とした…女の子?」
…女の子……?
何故か言い方と言葉に私は引っかかる。
「…同じ年だったんだね!
幼い見た目してるから中学生かと思ってた」
柔らかく笑う目の前の男子生徒は私とは真逆のことを思っていたみたい。
「落とさないようにねって言ったのにまた落として…」
そう言ってシャーペンを私の机に置けば…
ポンッと頭に手を乗せられて…
「気をつけるんだよ」
優しい声にまた去年と同じように頭を撫でられて私の胸が一気に高鳴った。