運命の人はいかがいたしますか?
素敵なレストランで杏はハンバーグステーキ。エルは風貌に似合わない豚カツ定食を選んだ。
なんともオヤジくさい気もするがエルが頼むとそう見えないから不思議だ。
ちゃんと「ハンバーグ、一口くださいね。」と可愛くおねだりもして。
そのあとに杏に注意する。
「外では智哉って呼んでください。」
「う…。」
エルは犬の名前みたいで呼びやすいけど…。智哉はちょっとなぁ。
「ほら。言って。」
いたずらっぽい顔をしているエルに、朝のあの怒られて情けない涙目の男と同一人物かしら…と疑いたい気分になる。
まだいたずらっぽい顔をするエルに杏はふくれっ面で反論する。
「何よ。意地悪なこと言う人にはデザートあげません。」
「そんな~。」
いじけたエルは「むくれた可愛い杏さんの顔が見れたからいいですよ〜。」とまた無邪気に笑う。
まったくこの子は…とまた赤面するはめになった。
結局はデザートも仲良く食べたあと会計に立った。
レジに向かっていると後ろから「杏?」とまた呼ぶ声が聞こえた。
「あら。春人。それに美優ちゃんも。」
今日はよく知ってる人に会うわ…。そう思っていると美優が声を弾ませる。
「杏さん達、とっても背が高くてお似合いだからすごく目立ってますよ。彼氏さんかっこいい方ですね。」
忘れてた。仕事モードの上に圭佑と別れて高いヒールしか履かなくなってたんだった。
それでも並んでいて自分の方が高いという劣等感を感じずにすむエルはかなりの長身だった。
甘えてばかりいるエルに身長のことなど気にしたことなかった。
まして周りにどう映っているかなんて…。
「彼氏~?いや…そういうわけじゃ…。」
慌てて訂正しようとする杏に今度は腰に手を回す。
「杏がいつもお世話になってます。同じ職場の方ですか?」
ちょっと。この人たちには威嚇しなくていいんだってば。
かっこいいモードになられるとこっちが調子狂っちゃう。そんな杏の心の声はエルに届かない。
「もう。杏さん彼と別れたって言ってたのに。ラブラブですね。」
美優の無邪気な言葉に春人の顔がくもる。
「さぁ美優ちゃん。行こう。」
「そうですね。お邪魔しました~。」
にこやかに去っていく二人を見送ってから不服そうに訴える。
「どうして弟って紹介させてくれないのよ。」
「弟」の言葉にエルは不機嫌そうな声を出す。
「弟じゃないですもん。」
「そうだけど。じゃ天使です。って言えばいいわけ?」
「そう言ってくださって結構です。」
天使なんて言ったら私が頭おかしいと思われるのに…。
何故かむくれているエルにやれやれと時計を見ると、急き立てるように言った。
「もうお昼休み終わっちゃう。私、行かなきゃ。ちゃんと家に帰るのよ。」
それだけ言うと急いで職場に戻る。
仕事を上の空ですることが減ったのに午後の開始時間に間に合わないなんてダメ…。
エルのことは気になったが、足早に別れてしまった。
なんともオヤジくさい気もするがエルが頼むとそう見えないから不思議だ。
ちゃんと「ハンバーグ、一口くださいね。」と可愛くおねだりもして。
そのあとに杏に注意する。
「外では智哉って呼んでください。」
「う…。」
エルは犬の名前みたいで呼びやすいけど…。智哉はちょっとなぁ。
「ほら。言って。」
いたずらっぽい顔をしているエルに、朝のあの怒られて情けない涙目の男と同一人物かしら…と疑いたい気分になる。
まだいたずらっぽい顔をするエルに杏はふくれっ面で反論する。
「何よ。意地悪なこと言う人にはデザートあげません。」
「そんな~。」
いじけたエルは「むくれた可愛い杏さんの顔が見れたからいいですよ〜。」とまた無邪気に笑う。
まったくこの子は…とまた赤面するはめになった。
結局はデザートも仲良く食べたあと会計に立った。
レジに向かっていると後ろから「杏?」とまた呼ぶ声が聞こえた。
「あら。春人。それに美優ちゃんも。」
今日はよく知ってる人に会うわ…。そう思っていると美優が声を弾ませる。
「杏さん達、とっても背が高くてお似合いだからすごく目立ってますよ。彼氏さんかっこいい方ですね。」
忘れてた。仕事モードの上に圭佑と別れて高いヒールしか履かなくなってたんだった。
それでも並んでいて自分の方が高いという劣等感を感じずにすむエルはかなりの長身だった。
甘えてばかりいるエルに身長のことなど気にしたことなかった。
まして周りにどう映っているかなんて…。
「彼氏~?いや…そういうわけじゃ…。」
慌てて訂正しようとする杏に今度は腰に手を回す。
「杏がいつもお世話になってます。同じ職場の方ですか?」
ちょっと。この人たちには威嚇しなくていいんだってば。
かっこいいモードになられるとこっちが調子狂っちゃう。そんな杏の心の声はエルに届かない。
「もう。杏さん彼と別れたって言ってたのに。ラブラブですね。」
美優の無邪気な言葉に春人の顔がくもる。
「さぁ美優ちゃん。行こう。」
「そうですね。お邪魔しました~。」
にこやかに去っていく二人を見送ってから不服そうに訴える。
「どうして弟って紹介させてくれないのよ。」
「弟」の言葉にエルは不機嫌そうな声を出す。
「弟じゃないですもん。」
「そうだけど。じゃ天使です。って言えばいいわけ?」
「そう言ってくださって結構です。」
天使なんて言ったら私が頭おかしいと思われるのに…。
何故かむくれているエルにやれやれと時計を見ると、急き立てるように言った。
「もうお昼休み終わっちゃう。私、行かなきゃ。ちゃんと家に帰るのよ。」
それだけ言うと急いで職場に戻る。
仕事を上の空ですることが減ったのに午後の開始時間に間に合わないなんてダメ…。
エルのことは気になったが、足早に別れてしまった。