運命の人はいかがいたしますか?
第11話 天使は悪魔
ピーンポーン。
十時になろうとしている時計の見て、こんな時間に何かしら。と玄関へ行く。
さすがに「はい」と返事をするのも物騒な気がしてドアの覗き穴からそっと覗く。
そこにはエルが立っていた。
ガチャッと開けるとエルは申し訳なさそうな顔をしてうつむいて口を開く。
最初にアパートに来た時のことを思い出すような、そんな姿だった。
「あの…。天使の仕事をさぼっていてすみませんでした。ちゃんと仕事をするので…。その…。」
フッと笑うと「とにかく話だけは聞くから入ったら。」と部屋へ招き入れた。
「その…。ちゃんとしないといけないことがあって…。」
言いにくそうにうつむくエルは、杏を見るとつらそうな顔をした。
それでも頬をバシバシっとたたいて凛々しい顔をする。
そして覚悟を決めたように口を開いた。
「圭祐さんとのことをきちんと忘れられなければ運命の人と結ばれることはありません。例え出会えていたとしても運命の人とは気付かずに離れて行ってしまいます。」
何を言い出すのかと思ったら!
圭祐…。そんな人のことは別れて以来、今日のお昼にちらっと会ったけれど、それ以外は忘れていたのに。
「圭佑のことなんて、もうなんとも思ってないわ。」
エルの話に取り合わない素振りを見せて、一人ソファに座る。
それを追いかけるようにエルが隣に座った。
逃がさない。そんな雰囲気を感じて誤魔化してしまいたい気持ちになる。
でもエルはそれを許さないだろうというのが態度にみえていた。
十時になろうとしている時計の見て、こんな時間に何かしら。と玄関へ行く。
さすがに「はい」と返事をするのも物騒な気がしてドアの覗き穴からそっと覗く。
そこにはエルが立っていた。
ガチャッと開けるとエルは申し訳なさそうな顔をしてうつむいて口を開く。
最初にアパートに来た時のことを思い出すような、そんな姿だった。
「あの…。天使の仕事をさぼっていてすみませんでした。ちゃんと仕事をするので…。その…。」
フッと笑うと「とにかく話だけは聞くから入ったら。」と部屋へ招き入れた。
「その…。ちゃんとしないといけないことがあって…。」
言いにくそうにうつむくエルは、杏を見るとつらそうな顔をした。
それでも頬をバシバシっとたたいて凛々しい顔をする。
そして覚悟を決めたように口を開いた。
「圭祐さんとのことをきちんと忘れられなければ運命の人と結ばれることはありません。例え出会えていたとしても運命の人とは気付かずに離れて行ってしまいます。」
何を言い出すのかと思ったら!
圭祐…。そんな人のことは別れて以来、今日のお昼にちらっと会ったけれど、それ以外は忘れていたのに。
「圭佑のことなんて、もうなんとも思ってないわ。」
エルの話に取り合わない素振りを見せて、一人ソファに座る。
それを追いかけるようにエルが隣に座った。
逃がさない。そんな雰囲気を感じて誤魔化してしまいたい気持ちになる。
でもエルはそれを許さないだろうというのが態度にみえていた。