運命の人はいかがいたしますか?
 アパートに帰ると今日はエルが家にいて「おかえりなさい。遅かったですね。」と少し寂しそうに言った。
 そんなエルを直視できずにベッドの部屋の方へ足を向ける。

「ごめんなさい。仕事が忙しくて疲れているの。ご飯食べれないわ。」

 それだけ言うとベッドにドサっと倒れこんだ。

 エルが心配そうに部屋をのぞいている視線を感じる。
 がさごそと何か音が聞こえてエルが近づいてくる気配も感じたが、対応する気力もない杏は寝たふりをした。
< 76 / 98 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop