失礼男の攻略法

いやいや、でもここはこのデキるアシスタントの言いなりになってる場合じゃない。

気を取り直して

「いやダメダメ。一度お受けした仕事、他の先生に任せるなんて失礼なことは絶対にしません!お願いだからYGは断っといてね。以上」

そう言い切って、再度資料に目を戻した。

さすがの美希ちゃんも引きどころをわきまえていて

「わかりました。一応私から断りますけど、所長がなんか言ってきたら先生から直接お話ししてくださいね」

ぷぅとちょっとだけ頬を膨らませたままデスクを後にした。


あの狸親父、懲りてないなとげんなりしながら、これ以上面倒なことがおこりませんように、と心の中で祈るばかりだった。


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