失礼男の攻略法

すっごい楽しそうに聞いてくる美希ちゃんをにらみながら

「そういうんじゃないよ。ただ、ちょっとした知り合いってだけで」

ごまかしてみると

「まぁ誰でもいいんですけど、今度はちゃんとした人ですか?タレ目王子とか、その前の人とかみたいなヘタレじゃないといいんですけど」

思いの外、まともなコメントが返ってきた。

「うーん、それは大丈夫なんだけどさ」

仕事も、山岸の娘だってことも、口が悪いってことも、全部ばれてるし、と思っていると

「それなら、ガンガン押さなきゃ!またとない、チャンスじゃないですか!」

またまたテンションが上がった美希ちゃんに押されてしまう。

「ガンガンって、どうすればいいの?」

「ガンガンは、ガンガン、ですよ!どうやったら会えるなんて、暢気なこと言ってずに、連絡して、デートして、迫って!千秋先生みたいなタイプが、ちょっとかわいく甘えたりしえみたら、わりかし簡単に落ちると思うんですけど」

恋愛エキスパートのご意見は貴重だけど、そんなのできるかーと盛大にツッコミを入れたい気分だ。
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