失礼男の攻略法
「美希ちゃん、ありがと。でも、私そろそろ出ないとやばいかも」
言いながら、鞄に資料を詰め込んでいく。
「あ、すみません。でも、先生、スッパリ、バッサリ、簡潔に!ですよ」
という美希ちゃんに
「うん、ありがとう。今日、戻り遅くなると思うから美希ちゃん、適当に上がってね」
軽く手を振りながら執務室を後にした。
そして移動中のタクシーの中でふとスマホとにらめっこしてしまう。
SNSかぁ・・・。
登録したっきり、ほぼ放置していた画面を開いてみると色んな情報があふれ出してくる。
“ 波木 真人 ”
恐る恐る、あの失礼男の名前を入力してみると、会社案内にあるようなキメ顔の写真が出てきた。それが面白くって、ぷっと吹き出したけど、それ以上の情報は見ることができなかった。