失礼男の攻略法
中西さんとのデートだって浮かれてた朝からは想像できないくらい最悪な一日になってしまった。
ビルのエントランスを出て空を見上げると、さっきラウンジから見えた星はよく見えなくなっている。
結婚どころか、まともに恋愛すらできないのかな・・・
いつもは、ここまで弱気になることなんてないのに、ひとりでいる未来を思い描いて無性に淋しさが募って来る。
今日、落ち込むだけ落ち込んで、明日からはまた仕事に打ち込もう。そう心に決めて、いつもよりずっと遅いペースで歩き出す。
きっと、大丈夫。
そう、私はきっと、大丈夫。
家に着く頃には、中西さんのあの引きつった表情も、お兄ちゃんの言葉も、あの失礼男のことも全部、全部過去の出来事になってるはず。
そう思ってたけど、どうやら私の最悪はまだ続いていたようで・・・。