失礼男の攻略法
そんなことがあった、あの日から2週間。
とうとう迎えた失礼男と決めたブレストの日。
仕事の後の時間を使って、どういうサービスがあれば「助けたい」と思う人の力になれるのか、色々と考えてみた。
なるべくお兄ちゃんの家に帰るようにして、お兄ちゃんから最近のビジネスの話を聞いたりしてアンテナを広げてみたりも。
お兄ちゃんには「急にどうした?」ってびっくりされたけど、「仕事でちょっと」というと、意外にもすんなり納得してくれて、一緒に飲みながらトレンドの企業やサービスなど、多分ビジネスの世界では当たり前の情報を教えてくれるようになった。
はじめて入るSMHの社長室は私の執務室とは違って、窓が大きくて見下ろす夜景がきれいだった。
「素敵なお部屋ですね」
「そうか?最初このビル入った時は、俺もここまできたかって結構感慨深かったけど、慣れちゃうとどうもね。高いとこじゃなくって、地に足ついてとこで仕事したいって思うようになってきたよ」
苦笑いする失礼男の顔には疲れが見える。