失礼男の攻略法
「同じの?それともロック?」
くすっと笑いながらかけられた言葉に、私がいつも頼むものを覚えてくれていたことが嬉しくって
「ロックで」
ニッコリとお願いすると
「ほんと、酒好きだよね」
苦笑いされてしまった。
お酒飲めるのが嬉しいんじゃないのに、って言いいたいけど、そんなこと口にする勇気なんてない。だから聞いてみるのも恐いけど、思いっきり気になっていた仕事の話に舵を振り切ってみた。
「今日の、どうでした?私、使い物になりますか?」
少し考えるようにしたけど
「今日だけじゃわかんない」
さっぱり、そう言われてしまう。やっぱりかぁ、と落ち込んでいると
「でも、アイデアベースだと、やっぱ俺とかうちの会社の奴じゃでない考え方だから面白いとは思った。普通、収益性とかコストとか金計算ばっかり気にとられちゃうからさ。本質的でいいと思う」
なぐさめのような言葉をもらったけど、申し訳なくって
「ビジネスの基本から勉強したほうがいいですよね」
というと、思いっきり首を横に振られた。