失礼男の攻略法
「今はまだ、そんなことしなくていいよ。千秋は千秋の視点だからこそでるアイデアを大切にしてほしい。それが今の千秋の価値だから」
当たり前のことを子どもに教え込むように、しっかりと言われて、なるほどなと納得する。
私には私にしかできないこと、それを考えるんだって。そう思うとちょっと気分が浮上して
「次回、リベンジさせてください」
力強くそう言うと、またくすっと笑われてしまう。
「千秋がすれてないのってなんで?やっぱり深窓のご令嬢だから?」
ちょっとバカにしたような物言いに、イラッとして
「それ、嫌味ですか?」
吐き捨てるように言うと
「まぁ、ご令嬢って感じではないよな」
やっぱり、小バカにしたように言われる。なんだか初対面の時のようなやり取りになっていることが悲しくって
「真人さんはどっちがほんとなんですか?」
思わず心の声がでてしまった。