失礼男の攻略法
とにかく今私ができることは、ゆっくりと恋心を消し去っていくことと、唯一あの男が認めてくれた仕事について、できる限りをつくすことだ。
「私、仕事に生きるから大丈夫」
そう口にだしてみたら、なんだか楽しくなってきた。
うふふっと天ぷらを口に運びながらも笑いをこらえられずにいると
「先生、とうとう壊れちゃいました?大丈夫ですか?」
ギョッとした表情の美希ちゃん。
「大丈夫、大丈夫。なんか、すごい仕事したい気分だから、早く食べて戻ろう」
そういうと、おっきなため息を吐かれてしまう。
「お昼くらい、ゆっくりしましょうよー。先生がまたドンドン仕事受けるモードになっちゃったら、所長案件断れなくなるんで、それが嫌ならホドホドにしてくださいね」
そういう美希ちゃんに、心の中でおっきく感謝する。