失礼男の攻略法
まぁ、でもそうだよね。そもそも、そういう話だったし・・・。
だけど、今ここでその結論は出せない。
「あの、実はちょっぴり事情がありまして。もうちょっと、待っていただけないでしょうか?」
「事情?何?やっぱ、弁護士の仕事の方がいい?それとも、事務所辞めらんない?」
まくし立てるようにいわれて、言葉に詰まってしまう。
「あ、いえ。仕事自体は、すっごい興味があってチャレンジできるならしたいって思ってるんですけど・・・」
どこまで話すべきなのか迷っていると
「けど、何よ?」
詰め寄られてしまう。もう、ここは全部話してしまおうと心に決めて
「あの実は結婚するかもしれなくって。そしたら、事務所辞めるわけにはいかないんで、どうしようかな、と」
そう言うと
「はー!?」
思いの外大きな声を出す失礼男。