失礼男の攻略法

暴言だけ吐き捨てて、失礼男の社長室から逃げ帰ってきてから早1か月。

あの男からの音沙汰もないし、やっぱり幻滅されてあの話はなくなったんだろうなって思う。

こんなものがあったらいいのにってサービスを考えるのは楽しかったし、やっぱり自分で思ってた以上に、あの仕事やってみたかったんだろうなって、今となっては思う。

だけど、そんなせっかくの機会を台無しにしてしまったのは自分だ。


おバカな自分にあきれながらも、直樹さんと結婚するにあたっての最大の懸念点を自分で潰してしまった今でも、まだどうするかを決めきれずにいる。

あの失礼男の会社で働けなくなること。

それがネックだったんだから、もう決めちゃっていいんじゃないって思う自分もいる。でも、そう思うたんびに、何かモヤモヤしたものが心の中に浮かんでしまうんだ。


< 206 / 225 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop