失礼男の攻略法
「親父はうちの後ろ盾欲しさなのかとか、色々試したらしいんだけど、って真人さんに限ってそんなわけないんだけどさ、それでも身一つでいいからお前がいいんだって」
その言葉を聞いて思うのは嬉しい、ということよりも
「え、なに、これ。ドッキリ?今日エイプリルフールでもないよね」
ってことで。
あまりにも夢物語過ぎて、現実とは思えない。
そもそも、私この人に振られてるよね。直接的じゃないけど、完全にそういう土俵にすらあげてもらえなかったのに・・・・。
なんで?
余計に混乱してきた頭を抱えると、ここにきてようやく失礼男が口を開いた。
「ドッキリでも、エイプリールフールでもない」
バカにしたように私に向かってそう言った後、
「ちょっと2人で話させてもらってもいいですか?」
パパに許可を取っている。すぐに首を縦に振るパパの向こうで
「千秋の部屋、あっち」
お兄ちゃんが指さした。