失礼男の攻略法
初めてかわす口づけは、失礼男そのもので。
最初っから遠慮なんてなく、唇をこじ開けて侵入してきたかと思ったら自由気ままに動き回る。
予測なんて全くできないその動きについていくのに必死で。だけど、そんなこと考える余裕なんてすぐにどっかにいってしまって。
もう立ってられずに、ギュッと失礼男の服を掴んだところでようやく解放された。
息が上がってる私を横目に平然と
「続きは、後でね」
妖艶な笑みを浮かべた失礼男に、かなう気なんてしなかった。
そして、パパとお兄ちゃんに私も結婚したいって意思を伝えた後、連れてこられたのは失礼男の住む部屋だ。
実はさっきのビルの左隣にたつタワーマンションの一室。こんな近くに住んでたなんて初めて知ったなって思いながらも、この人のこと、何も知らないことに気付く。