失礼男の攻略法
「勝ちって、ゲームじゃないんですから」
「いや、ある意味人生かけたゲームだろ。俺は欲しいと思ったもんは、みすみす逃したりなんてしないよ」
自信満々に言うから、なんだかそれでもいい気がしてくる。
たとえゲームの賞品くらいなんだとしても、それでもこの人が私のことを欲しがってくれているって事実があるんだったら。
「ねぇ、私のこと、好きですか?」
さっきから聞きたいけど、一度も聞けないワードを出してみると、ん?とわざとはぐらかすように笑っている。
「好きですか?」
もう一度聞くと
「俺が仕事放り出してまで欲しいと思ったのは、お前だけだ」
期待してた言葉とは全然違う言葉がでてきた。
いつかは好きって言って欲しい。
でも、今は「好き」っていう簡単な2文字じゃなくって、大切なものを引き合いにしてくれた、その言葉が心にしみこんでくる。
それに対して簡単な言葉しか紡げない自分が恥ずかしいけど、今言いたいのはこの言葉だ。
「私は、大好きです」