失礼男の攻略法

「確かに、ああいう、いかにもな女の子には落ちなさそうだよねー」

「でしょ、でしょ。だからバーじゃなくって、目指せラウンジなんです!」

そう言い切る美希ちゃんに教えてあげたい。ラウンジも自信たっぷりの男に群がる女の子たち、という構図では変わんないよって。まぁ、会員だっていったら色々詮索されそうだから言わないけど。

「美希ちゃんはいつも前向きだよね」

“よりいいランクの男を捕まえて結婚することが目標“

と常々言っている美希ちゃんは、いつもその目標にぶれずに行動してる。本当はいい大学も出ていて能力もあるのに「キャリアは結婚の邪魔にしかならない」と言って、このビルに入っている会社の事務職とかアシスタント職に絞って就職活動をしたらしい。

そして受かった会社の中で一番上のフロアだったという理由でうちの事務所で働くことを決めたツワモノ。そこまで頑張っているから、是非とも目標を果たしてほしいなって思う。

「でも、そろそろ手の打ち時かなっとも思うんですよね」

珍しく弱気な美希ちゃんの発言にびっくりしてしまう。
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