失礼男の攻略法
美希ちゃんが目標を達成して結婚するのを応援したいけど、こう言われてしまうと、その日が1日でも遅くなればいいのに、と思ってしまう。
「えー、冷たい。私を置いてかないでよ」
「じゃあ、千秋先生も結婚すればいいんですよ。いっそのこと、お見合いでもしちゃえばいいじゃないですか」
なんて気軽に言い始めた美希ちゃん。そういうことじゃないんだけどな、と眉間にしわを寄せながら美希ちゃんをみていると
「美人が台無しですよ。ほら、所長の甥っ子さんの話とかもあったじゃないですか」
しょうもないことを言い始めた。
「あれは所長が甥っ子さんに跡継がせたいからって勝手に1人で盛り上がってただけでしょ」
言いながら、今年の新年会での所長とのやり取りを思い出す。