失礼男の攻略法
そんなことを考えながら、はぁと大きなため息を吐いたところで
「千秋先生、それ以上幸せ逃してどうするんですか」
容赦ない美希ちゃんの言葉は続く。
「そもそも千秋先生は身構えすぎなんですよ。もっと気軽に考えればいいのに。甥っ子さんだって会ってみたら、いい男かもしれないじゃないですか。もったいない」
「もったいないって・・・。あの狸親父の甥っ子だよ」
「もったいない以外のなにものでもないですよ。狸親父の甥っ子が狸とは限らないじゃないですか。会いもしないなんて、自らチャンスを潰してるんですよ!」
ますますヒートアップしていく美希ちゃんに、ぽろりと本音が漏れてしまう。
「なんか、自信ないんだよね」
「えっ!?なんの自信ですか?千秋先生が自信ないなら、世の中の女の子の大半、自信なんてもてないですよ」
「いやいや、美希ちゃんみたいに女子力ないし、うまく恋愛できる気しないよ」
そう言いながらお箸をおいて、ご馳走様をしていると美希ちゃんに凝視されていた。