失礼男の攻略法
その言葉と、それを発している男のまとう雰囲気に呆然としていると
「悪い、俺もう行かないといけないんだよ。ゆっくり付き合えなくて悪いな。思う存分飲んでいいけど、帰りだけ気を付けろよ」
そう言って失礼男は私を一人残してラウンジを後にした。
そして、そのもう後ろ姿が見えなくなった入り口をぼんやりと見つめながら思ったのだ。
あんなの反則だって。
あの一言で、あの眼差しで、あの手で・・・。
私は一気に落ちてしまったのだ、あの男に。