失礼男の攻略法

「なんですか、その申し訳ないなんて1ミリも思っていない言いぐさは!私は謝ってほしいんじゃなくって、仕事取りあえず受けるの辞めてほしいんです!」

さらに美希ちゃんはヒートアップしている。たしかに最近は指名案件だけでなく所長から振り分けられる案件も取りあえず全部受けている。

あの日、あの失礼男、いや波木さんが“妹ちゃんなりの正義があって、戦ってんだろ?それで充分じゃん”って言ってくれて、何かが吹っ切れたのだ。

仕事に持っていた違和感なんてどうでもよくって、私自身がブレなければいいんだって気付けたから。だから、どんな案件だってどーんとこいだ、と気持ちがおっきくなっていた。

だけど・・・

「確かに千秋先生まだ若手だし体力あるだろうけど、ここんとこほとんど休めてないんじゃないですか?千秋先生が判断できないっていうんだったら、私が勝手に決めちゃいますよ」

さすが美希ちゃん。
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