不知火の姫
「あたしね、施設にいる時からずっと、鈴ちゃんの事が――――大っ嫌いだったのよ!」
彼女は笑いながらそう言うと、私の脇腹に何かを突き付けた。同時に聞こえた、タタタ……という軽快な音。
一瞬で全身に衝撃が走る。体が引き裂かれるような痛みと、痺れ。つま先から頭のてっぺんまで、雷に打たれたかのようだった。
目の前に星が飛び、火花が散るみたいにちかちかする。
――――な、なに……? 何が起こったの?
衝撃が収まると、私の体は力を失い崩れ落ちた。意識が遠退き目を閉じる瞬間、愛澄ちゃんが手にしているスタンガンが見えた。
◇◇◇