不知火の姫
08* 愛を乞う者たち
◇◇◇
――――児童養護施設では、楽しい事なんて無かった。
同じ施設の子に物や少ししか無いお小遣いを騙し取られたり、何か無くなると全部私のせい。殴られたり蹴られたり、そんなの日常茶飯事。
施設職員の大人に助けを求めても、お前が悪いんだろうと、取り合ってはくれなかった。酷い時は『しつけ』と称して殴られたりもした。
養護施設にいるのは、親を無くした子や親から捨てられた子ばかり。みんな同じ境遇のはずなのに、いつの間にか暗黙的にカースト制度が出来上がっていた。
私はその、最下層にいたんだと思う。
どうしてそうなってしまったのか、理由は分からない。みんな私が目障りだったのか、嫌いだったのか。
私は要領が良くなかったから、それを上手くかわす事は出来なかった。
一度目を付けられてしまったら、そこは地獄だ。だから、楽しい事なんて一つも思い出せない。
――――児童養護施設では、楽しい事なんて無かった。
同じ施設の子に物や少ししか無いお小遣いを騙し取られたり、何か無くなると全部私のせい。殴られたり蹴られたり、そんなの日常茶飯事。
施設職員の大人に助けを求めても、お前が悪いんだろうと、取り合ってはくれなかった。酷い時は『しつけ』と称して殴られたりもした。
養護施設にいるのは、親を無くした子や親から捨てられた子ばかり。みんな同じ境遇のはずなのに、いつの間にか暗黙的にカースト制度が出来上がっていた。
私はその、最下層にいたんだと思う。
どうしてそうなってしまったのか、理由は分からない。みんな私が目障りだったのか、嫌いだったのか。
私は要領が良くなかったから、それを上手くかわす事は出来なかった。
一度目を付けられてしまったら、そこは地獄だ。だから、楽しい事なんて一つも思い出せない。