不知火の姫
彼女はそう言って少し後ろに下がった。

それが合図だったのか、鬼焔の体格のいい男の人が三人ほど私の目の前へ出て来た。


「言ったでしょ? あたし、鈴ちゃんが大っ嫌いなの。だから、あんたを滅茶苦茶に壊してあげたいの」


愛澄ちゃんが指をパチンと鳴らすと、男たちは私に襲い掛かってきた。

一人が両肩を床に押し付け、もう一人はその足を押える。されるがまま仰向けになると、三人目の男が私のシャツに手を掛けた。

急激に、恐怖が体を駆け巡る。


「――――いや! 止めて!」


私の声に男はにやりと面白そうに笑うと、シャツを躊躇なく引き裂いた。見ている男たちの歓喜の声が、倉庫の中に響く。

シャツを引き裂いた男は、満足そうにもう一度笑うと、一旦私の上から体を引いた。でも肩も足も抑えられたままなので、上半身下着姿の私はみんなの目に晒されたままだった。


怖い…………

体が震える。


「どう? こんな事されちゃって、今、どんな気分?」


愛澄ちゃんは私の顔のすぐ近くにしゃがむと、楽しそうに笑いながらそう言った。




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