いつの間にか、溺愛。
残された2人。

「……あ、ありがと。」

「どういたしまして?」

「すげぇな……」

「ん?何が?」

「いや、瞬時に判断した……とこ?」

「あぁ… だって飲みに連れて行かれそうだったから。帰れなくなるじゃん」

「俺、一瞬ドキッてしたもん」

「……ん?」

「ガチで誘われてるのかと思った」

「っ!?ち、違うわよ!あれは仕方なくっ……!」

不可抗力。

臨機応変に判断したつもりだったが、冷静に考えてみたら結構大胆な事を言った気がする。

「ちゃんとお友達には説明しといてね?」

「え〜 いいじゃんこのままで。俺的には好都合だし?」

ニヤニヤ笑みをこぼしながら歩いて行く。

私、………なんか損してない?

「駐車場どこ〜?」

「ん?」

「車まで送る〜」

「え?ま、待ってよっ……」

律儀なのか?

そそくさと歩いている彼の後を追った。

「駅の方?」

「う、うん。てかいいよ、すぐそこだし… 」

「ねぇ〜 どこ住んでんの?」

私の話、聞いてます?

「……西区。」

「おっ!マジで!俺、東区なんだよね〜。案外近かったりして」

まさかのお隣の地区だとは… 世間は狭いな。
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