いつの間にか、溺愛。
まっ、私には関係ないか。

空腹だった私の体内にお酒が気持ちよく入っていく。

「っふぁ〜。うっまーい!最高っ!」

「飲みっぷり良すぎ」

「何よ。どうせオヤジっぽいとか言うんでしょ?」

「いいや。可愛いなぁ〜と思ってね」

「………はあ!?」

「あー、そう言う顔も好きだな〜」

ニヤニヤしながら、何とも満面の笑みでこちらを見てくる。

「……変わり者。」

「そう?」

そう言いながら口に焼鳥を頬張る姿は無邪気で可愛い。

やばい。

可愛いとか思っちゃってるよ。

たわいのない話しかしていないが、この雰囲気は私にとってはとても居心地が良かった。

お会計はいつの間にか終わっていて、何ともスマートというか慣れているというか……

「ご馳走さまでした。ありがとう」

「こちらこそ。じゃあ家まで送るから乗って」

……あ、だからお酒飲まなかったのか。

この前は運転席側だったが、今回は助手席。
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