いつの間にか、溺愛。
「え?……って知らなかったの?ほら、あの駅ビルの病院よ」

駅ビルの病院といえばここら辺じゃ名の知れた総合病院だ。

しかもそこのお宝坊ちゃんは、若くて有望な名医だと巷で噂されていた。

「それ、本当なの?」

「はあ… 病院の名前『戸高総合病院』って書いてあるでしょ?」

「……っあ、」

「本当、しっかりしてるんだか抜けてるんだか」

駅ビル病院で名は通っていたから、全く気づかなかった。

けど、ならどうして嘘ついたのだろう。

「私には、医療関係の営業マンって言ってんだけど….… 」

「うーん。何でだろうね?本人に聞いて見たら?」

確かに、論より証拠。

どうせまた今週末に会う予定だし。



だけど心のモヤモヤ感は何故か消えなかった。
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