いつの間にか、溺愛。

やってきた週末。

待ち合わせはまたもや駅ビル。

そして時間も同じく12時頃に…… っと。

またドタキャンもあり得るかも?と頭に過ったが、10分前には待ち合わせ場所に着いた。

とりあえず、着いたってメールいれとこうかな?

「すーずっ」

後ろを振り向くと彼が立っていた。

「今回は早いのね?」

「名誉挽回だからね〜」

あはは〜と笑っている彼は見ているこっちがわかるほど楽しそうだ。

遠足を待ちわびた子供みたい。

「じゃ、行こっか?……はい。」

目の前に出された彼の左手。

「ん?」

「ほら、行くよ」

そう言って私の右手を取り、絡ませた。

「ちょ、ちょっと!?な、なんで?」

「ん?迷子にならないように繋いどかないとね?」

ニヤっとして私を見た顔は無邪気な子供そのもの。

一瞬、可愛い…… と思ってしまった。

本当にこの人が医者なのだろうか?
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