いつの間にか、溺愛。
休日ともあって映画館は人が多い。

席に着き、先程買ったらコーヒーを飲みながら上映を待機していた。

今更だけど、男性と映画館なんて。

一体いつぶりだろう?

思い出そうとしても中々出てこない時点で大層ご無沙汰なのがわかる。


「どうした?そんな難しい顔して」

「ん?あ、いや。何でもない」

「なぁ?この映画が始まる前が一番ドキドキしないか?」

「?」

「少し薄暗くて、みんな画面に集中してるから、何してもバレない……___

そう言って、また手を絡ませてきたかと思ったら、顔が近いてきて耳元で囁いた。

「いやらしい事もできる」

「っ!?ちょっと、何考えてんのよ!??」

「ふっ、あははっ。本当可愛いな?」

「……からかったのね?」

「いや、本心かもよ?」

隣でケラケラ笑っている彼に反応してしまった自分が恥ずかしい。

彼のペースにハマっていっているのが自分でもわかる。
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