いつの間にか、溺愛。
私が通院する訳ではないから、なんて安易に考えていた。

「ここよ〜 鈴〜!」

リハビリで通院している母が一緒に帰ろうと提案してきた……、ところまではよかった。

ま、娘としては心配だし?

総合病院のロビーで手を振っている母。

「もう!恥ずかしいから呼ばないでって」

「だって、わからないかなぁ〜と思って」

「わかるわよ、自分の母くらい!」

二人でわちゃわちゃ会話していると、

「本当、仲良しですね」

いつも母の隣で待っている、彼。

「でしょ〜!どう?うちの娘?少しガミガミうるさい所あるけど、中々の有力物件だと思うわよ〜 」

「っもう!お母さんっ!」

「僕も頑張って口説いてるんですけどね〜 」

あははは〜 と二人して何がおかしいのだろうか。

なぜかこうして仲睦まじく私をからかってくる。

「ほら、お母さん!行くよっ」

「もう、鈴はシャイなんだから〜 じゃあ先生また明日ね」

「はい。お気をつけて」

友達か?と思われるくらい馴れ馴れしい母だが、これが私のよく知る母だ。

愛されキャラとよく言うが、私にもこのキャラが少しでも入っていれば人生違ってたかも?
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