いつの間にか、溺愛。
正直、居心地はよろしくは無い。

だって未知の世界なんだから…… ねぇ?

思い腰を押し上げ花嫁の元へ向かった。

「「安子、おめでとぉ〜」」

「わぁ〜 みんな来てくれてありがと〜」

幼馴染の安子(やすこ)は満面の笑みで幸せが溢れかえっていた。

やはり花嫁さんは世界一可愛いというのはあながち嘘ではないんだな。

愛らしい表情を見せる安子を心から可愛いと思ってしまうほどだから。

「安子、可愛い。なんか少し寂しい気もするけど…… 親目線的な?」

「すず〜 もう辞めてよ〜!泣いちゃうじゃん」

「ふふっ、泣け泣け〜」

「も〜っ!……っあ、そうそう鈴、二次会絶対来てね?」

「うん。行くつもりだったけど?」

何故わざわざそんな事を聞くのか?


安子はお色直しへと司会者の案内の元、私達は席に戻った。

「お手洗い行くけど、優香も行く?」

「んー、私はまだ大丈夫。いってら〜」


私もいつかこんな風に結婚式とかしちゃって、みんなから祝福されちゃったり。

………なんてするのかな?

やばい、全く想像ができないんだけど。

お手洗いから出て何の気なしに休憩スペースの椅子に腰掛けた。

お一人様も考えもんだな。

できればイケメンがいいし。

イケメンって言っても私の中のイケメンであって、芸能人並みの人を選んでいる訳でもないのになぁ……

私が身長高めだから、やや高身長で顔はシュッとした感じで色気のある目で、できれば口数の少ないクール系な男の人でーーー


そうそう、あんな感じの男の人……

披露宴会場のドアから出てきた男性に一瞬にして魅了された。

妄想通りの人がでてきちゃったよ。

口数の少ないクール系かどうかは私の勝手なる妄想だけど。
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